暖炉と薪ストーブはあまり身近なものではないため、混同されることがよくあります。しかし、実際に比較してみると、さまざまな違いがあるのです。
そこでこの記事では、2つの違いについてご紹介します。薪ストーブもしくは暖炉の導入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
もくじ
違い1:扉の有無
暖炉には扉がないものの方が多く、逆に薪ストーブは扉がついているものの方が一般的です。そのため、暖炉のほうが薪の燃える音やにおいを直接感じることができます。ただ、小さい子どもやペットがいる家庭では、暖炉は少し不安かもしれませんね。
違い2:暖められる範囲
扉がない分、暖炉のほうが暖かそうなイメージがありますが、実は薪ストーブのほうが圧倒的に熱効率が良いです。暖炉は熱の多くが煙突から外に出ていってしまうため、周辺しか暖めることができません。
しかし、薪ストーブはストーブ自体が露出しており、さらには扉がついていることで密閉されています。そのため、小さくても輻射熱によって家全体を温めることができます。
違い3:実際に使えるようになるまでの期間
注文してから実際に使用できるまでの期間は暖炉のほうが長くなる傾向にあります。というのも、壁に埋め込む形で設置される暖炉は、本体と煙突を取り付けた後に、内装の雰囲気に合わせて化粧工事を行うからです。暖炉の場合は1か月前後かかると思っておいてください。
一方、建物とは切り離して取り付ける薪ストーブは、本体と煙突、壁や床を守る炉台を設置すれば完成なので、比較的早く使い始めることができます。
薪ストーブ、暖炉を使用する際の注意点
薪以外は燃やさない
当たり前のことのようにも感じますが、着火の際に段ボールや紙などを使用する方がいます。薪以外のものを燃やすと、異常燃焼や灰詰まりを引き起こす原因にもなりますので、できる限り避けてください。
薪はしっかり乾燥させる
くべる薪はしっかりと乾燥していないと、火の付きが悪いだけでなく、暖まるまでに時間がかかります。さらに、煙突がススなどで詰まりやすくなり、煙突火災を引き起こす恐れがあります。
では、薪はどのくらい乾燥させたら良いのかというと、薪の理想の含水率は15~20%と言われています。雨水がかからず、風通しの良い場所で1年半から2年ほどしっかり乾燥させてください。
間取りをよく考える
薪ストーブも暖炉も、煙突を設置するため、一度設置すると簡単に場所を移動することができません。薪ストーブは中央に設置することでより暖房としての機能をあげることができますが、暖房を使用しない夏の間も部屋の中央にあることになります。一年を通して使用するものではないので、設置するときは間取りをよく考えるようにしましょう。
煙突のメンテナンスをしっかり行う
薪ストーブや暖炉の煙突掃除は、自分でやるかもしくは業者にお願いする方法があります。どちらにしても、一年に一回は必ず行うようにしましょう。薪を燃やすことで、煙突にはススだけでなくクレオソートというものが堆積します。クレオソートは揮発性の有機タールのことです。一定の温度以上に加熱されると、煙突火災を引き起こす恐れがあります。オフシーズンである春から秋口の間に、掃除と点検は済ませておくようにしてください。
まとめ
薪ストーブと暖炉の違いはいろいろありますが、やはり熱効率の違いが一番大きいと思います。せっかく高い費用をかけて設置するのだから、主暖房として家全体を温められるようなものがいい!という場合は薪ストーブがおすすめです。 燃料である薪を無料で手に入れられることができれば、大幅に暖房費を削減することが可能です。
逆に、暖房としての機能は補助的でも良いので、内装に馴染みやすく、オフシーズンも邪魔にならないようにしたいということであれば、暖炉の導入がおすすめです。
ナチュラルな空間である無添加住宅の内観は、薪ストーブでも暖炉でも合うので、ぜひご検討頂ければと思います。