皆さんは家を建てるとき、何に一番こだわりましたか?間取り、設備、外観などいろいろあると思いますが、「窓」と答える人ははたしてどのくらいいるでしょう。あまり考えずに配置してしまうと、いざ住んだときに後悔してしまうかもしれません。
もくじ
窓の大切な役割・機能
私たちの家にある窓には、主に「視認」「採光」「通風」という3つの役割・機能があります。
視認
「視認」というのは実際に目で見て確認することです。窓があることで外の様子を確かめたり、眺めたりすることができます。
採光
窓から太陽光を室内にとり入れることで、家を明るくする役割があります。
通風
窓の役割として多くの人が挙げるのが通風だと思います。お風呂場、トイレ、キッチンなどさまざまな場所に換気扇がついているものの、窓を開けて空気を取り込むほうが気持ちが良いですよね。
窓の種類
現在では窓と言ってもさまざまな種類があり、家の雰囲気などに合わせて好みのものを選ぶことが可能です。
引き違い窓
引き違い窓は子どもやお年寄りでも簡単に開閉することができ、数ある窓の中で最も量産されているので価格が安いという特徴があります。ただ、気密性が低いので冬は特に寒いと感じてしまうかもしれません。
片引き窓・両引き窓
片引き窓は引き違い窓と異なり、片方の窓が固定されています。両方の窓が開閉できないので、どうしても開口部は小さくなってしまいますが、引き違い窓より気密性は高くなります。一方、両引き窓は片引き窓を2つ合わせた形となります。こちらは開口部が広いので、しっかり風を通すことができます。
縦滑り出し窓・横滑り出し窓
縦長の形状で、ドアのように開閉する窓を縦滑り出し窓と言います。風通しはもちろん、気密性も高いですが、縦長になるので光を取り込む量は少なくなります。
もう一つの横滑り出し窓は、縦滑り出し窓を90度回転させたようなイメージです。窓を開けると庇のような形になるので、雨が降っても室内に雨が入りにくいです。
はめ殺し窓
はめ殺し窓というのは、ガラスをはめているだけで開閉ができない窓のことです。鍵や取手などがなくなるため、スッキリ見せることができます。開閉ができないので通風機能はなく、二階など高い部分につけた場合には外側からの掃除がしにくくなります。
上げ下げ窓
引き違い窓はガラスが2枚横に並ぶような形ですが、上げ下げ窓の場合は上下に並びます。上下の窓がそれぞれ開放できるものや下側の窓のみ解放できるもの種類があります。引き違い窓よりもオシャレに見えるだけでなく、気密性を高めることができます。
窓の配置のポイント
ラインをそろえて配置する
外から家を見たときに、窓の高さやサイズがそろうように配置されているときれいに見せることができます。ラインをそろえずに、あえてランダムに配置している家も見かけますが、センスが問われます。挑戦してみたはいいけど、いざ完成してみたらなんだかしまりがない…ということにもなりかねないので、迷ったらラインを意識した配置にしてみてはいかがでしょうか。
外壁の広さに合わせて配置する
コストが安いことから引き違い窓を多用したくなりますが、引き違い窓が横に並んでしまうような配置はやぼったく見えてしまいがちです。あまり外壁の面積が広くない家の場合は、縦長の窓やスッキリとしたはめ殺し窓を配置してみても良いでしょう。
逆に外壁の広い家では、小さめの窓を配置してしまうと寂しく見えてしまうので、引き違い窓を並べて配置することで、窓の面積を増やすとバランスがとりやすくなります。
1つの部屋に複数の窓を配置する
これは特に通風に関することですが、1つの部屋に1つの窓しかないと、上手く空気の入れ替えを行うことができません。2つ以上の窓をつけることで風の通り道を作り、効率的に空気の入れ替えができるように配置するのがおすすめです。
光が差し込みにくい場所に配置する
住んでみてから気づくこととして、玄関やキッチンなどは光が差し込みにくく、常に電気をつけないと暗いということがあります。特にキッチンはリビングダイニングとひとくくりにされてしまうことが多く、リビングダイニングに複数窓を配置してもキッチンには光が差し込まないことがよくあります。戸建ての場合は自由に窓を配置できるので、光が差し込みにくい場所にも窓を配置するようにしましょう。
まとめ
家を建てる際、デザインや間取り、設備などを重視しがちですが、快適に暮らすためには窓選びや配置の仕方も意外に重要なのです。
コストだけではなく、窓本来の機能は十分に発揮される配置になっているか、適切な場所に適切な形の窓が配置されているか、外から家を見たときに窓の配置によって外観の印象はどうなっているかなどをぜひ考えてみてください。