もくじ
スキップフロアとは
スキップフロアというのは、中二階のように床の高さを半階ずらした空間の造り方です。スキップフロアは一か所に限らず、中三階、半地下など複数か所設けることもあります。
スキップフロアのメリット
空間を有効に使える
段差ができることによって、壁や扉のような仕切りがなくても空間を区切ることができます。さらに、廊下を造る必要もないため、空間を有効に使うことが可能となります。
高低差のある土地を活用できる
傾斜があるような高低差のある土地に家を建てると、デッドスペースが生まれやすくなります。そういうときに、例えば1階のリビングよりもやや低い位置にガレージとして車や自転車を置くようなスキップフロアを造ると空間を無駄なく活用することができます。
空間が広く見える
フラットな空間よりも、スキップフロアを造って高低差がある空間にしたほうが広く見えます。実質同じ階ではありますが、数段階段を上っただけでも見える景色が異なりますので、別の部屋にいるような感覚になります。
風通しや日当たりが良くなる
仕切られていないことから、高い位置に窓をつけることで風通しや日当たりを良くすることができます。特に隣の家と距離が近く、1階の窓を開けるのはちょっと…という場合に役立ちます。
収納スペースを増やせる
敷地面積が狭い場合、十分な収納スペースを確保するのが難しい場合があります。居住空間を広くしたいけど、まったく収納がないとものがあふれてしまう…というときは、縦の空間を使ったスキップフロアがちょうどよい収納スペースとなります。縦のスペースを使うという意味では、壁面収納なども効果的ですが、あまり高いところのものは出し入れがしにくく、十分なスペースを確保するとなると圧迫感が出てしまうこともあります。
スキップフロアのデメリット
建築コストがかかる
スキップフロアを造るとなると、スペースとなる部分に床板を張ったり、子どもの遊び場を想定している場合には手すりをつけたりと、通常の家より手間がかかってしまうので、建築コストがかかってしまう傾向にあります。
光熱費がかかる
個々の部屋が密閉できないために冷暖房の効率がやや悪くなります。そのため、光熱費が高くなることがあります。
段差が増えてしまう
スキップフロアの場合、階段で段差が多くなってしまうので、バリアフリーとは逆の造りとなります。そのため、高齢者と一緒に住んでいる、もしくはこれから住む予定がある場合、しっかり家族と話し合ってから取り入れてください。
プライバシーの保護が難しい
メリットの部分でスキップフロアは壁や扉のような仕切りがなくても空間を区切ることができるとご紹介しましたが、それゆえにプライバシーの保護が難しいという点があります。特に子どもが自分の友達を家に招待したいとなったとき、ちょっと招待しにくいと感じてしまうかもしれません。
スキップフロアを取り入れる際の注意点
自治体に確認をとる
建物を新築もしくは増改築する場合、建築主は図面など必要なものを提出して自治体に建築確認をしてもらうよう申請する必要があります。建築確認では建築基準法と照らし合わせて審査されるのですが、その際スキップフロアは自治体によって判断が分かれる傾向にあります。2階建て+スキップフロアを想定していたつもりが、3階建ての家とみなされたり、中にはスキップフロア自体を認めないところもあるようです。
必要性を明確にしておく
何となくオシャレに見える、といった理由でスキップフロアを導入してしまうと、逆に不便になってしまうことがあります。日当たりが良くないから採光のために造る、土地の面積が狭いので縦に空間を増やしたいなど、スキップフロアの必要性を事前に明確にしておいた方がいいかと思います。