無添加住宅
コラム

梁と柱の違いや役割について解説します

昔から、日本の家は木造軸組工法(在来工法)で建てられてきました。この工法は、地盤に均等に力を伝えるための基礎が造られ、その上に土台を乗せ、さらにその上に骨組みとなる柱などを建てていきます。
柱や梁、筋交いなどの木材を組み合わせて建物を支えているので、木造軸組工法では一つひとつのパーツが非常に重要な役割を担っているのです。

各パーツの名称

皆さんが暮らしている家は、さまざまなパーツを組み合わせることで支えられ、成り立っています。一部ではありますが、どのようなものがあるのか以下にまとめてみました。

  • 棟木(むなぎ)
  • 母屋(もや)
  • 桁(けた)
  • 小屋束(こやづか)
  • 垂木(たるき)
  • 筋交い(すじかい)
  • 梁(はり)
  • 銅差し(どうざし)

いろいろありますが、この中でも皆さんがよく耳にする柱と梁について注目してみようと思います。

柱とは

柱は鉛直方向(垂直方向)に立つ部材のことで、梁・桁・胴差しなど横架材からの荷重を土台や基礎に伝えるという役割をしています。さらに、地震による横揺れ、壁面に作用する風の圧力など水平力に抵抗するためにも、柱は必要となります。

そんな柱は場所によって名称が変化します。たとえば、2階以上の建物において土台から軒下まで貫通している柱を「通し柱」と言います。逆にその階のみに立っている柱は「管柱」と言います。建物を支える柱とは別に「間柱」というものもあります。これは柱と柱の間に補助的に取り付けられるもので、壁材を固定するための下地の役割があります。

梁とは

梁は水平方向にかかる部材のことで、上から荷重を直下の柱に伝えています。また、屋根や床を支えるのも梁の重要な役割です。
柱と同じく、梁も使用する場所が異なると、名称が変わってきます。

柱と柱をつなぐように配置されているものを「大梁」と言います。その大梁と大梁の間にかけ渡すものを「小梁」と言います。柱とは直接つながっていませんが、小梁にかかった荷重も大梁を経由して柱に伝えられます。また、小梁にさらに小さな梁がついているのですが、これを「孫梁」と言います。孫梁も含めて小梁ということもあります。ほかにも、屋根部分の骨組みである小屋組の一番下にある梁は「小屋梁」と呼ばれます。

柱と梁の違いを簡単にまとめると、鉛直方向に立っている柱は横からの荷重や圧力に対して抵抗するためのもので、水平方向にかかっている梁は上からの荷重や圧力に対して抵抗するためのものということになります。

無添加住宅は梁や柱も丈夫で安全な無垢材

一般の木造住宅の梁や柱といった構造材には主に以下の2つが使われています。

無垢材

1本の丸太から使用する大きさ・形状で切り出された木材のことです。天然木ならではの風合いが感じられますが、1本の木から切り出せる量が限られているので、コストがかかる傾向にあります。

集成材

小さく切り分けた板材を接着剤で組み合わせて作られたものです。柱や梁に使用する無垢材を用意するとなると、かなり大きな木が必要となってしまいますが、集成材であれば大きさや長さを人の手によって調節することが可能です。

柱だけは無垢材でも梁は集成材など構造材のすべてが無垢材というケースは極めて少ないと言われています。しかし、無添加住宅ではとことん無添加にこだわっています。そのため、健康に影響を及ぼす化学合成接着剤が使われている集成材は使用しません。構造材にはすべて無垢材を採用し、使用する樹種、使用する場所にもこだわっています。
具体的には、柱にスギもしくはヒノキ、梁にはマツを使用しています。梁にマツを使うのは、横に強いという性質を持っているからです。柱にスギ・ヒノキを使うのは、フィトンチッドというものが含まれているからです。

天然木から切り出された無垢材であれば、すべてが安全であると思っている人もいますが、実はそうではないのです。スギやヒノキが持つフィトンチッドは、虫や菌を寄せ付けないためのいわば天然の化学物質です。抗菌・殺菌作用が強く、化学物質過敏症の方の中には、このフィトンチッドに反応してしまう人もいます。そうした木の性質を加味し、スギやヒノキは人に近い内装ではなく構造材として使っているのです。

もう一つ、構造材に無垢材を使用する理由として、一般的な集成材に使われている接着剤はどんどん劣化していきます。その寿命は15~20年ほどと言われているのですが、家の中枢を担う梁や柱が15~20年で劣化してしまっては、家の耐久性にも影響がでてしまいます。しかし、無垢材であればその心配はありません。先ほど柱に使用しているスギやヒノキはフィトンチッドが含まれていると説明しましたが、その作用のおかげで防腐剤や防蟻材を使用しなくても長きにわたって丈夫な状態を保つことができます。

フローリングや建具など内装に無垢材を取り入れる人は増えてきていますが、長く安心に暮らすためには、ぜひ構造材も無垢材を検討してみてください。

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