もくじ
コートハウスとは?
コートハウスというのは、敷地全体を壁で囲い、その内側に中庭のような屋外空間をもつ住宅のことです。外観の窓は小さめですが、中庭に面した窓を大きくするのが特徴的です。
コートハウスの魅力
開放的なのにプライベート空間
コートハウスの最大のメリットが、屋外という開放的な空間でありながら、周りの視線が気にならないプライベートな空間であるということです。通常の住宅の庭は、多くが外部から見えてしまいます。せっかく庭を設けたけど、通行人や近所の人の視線が気になってあまり庭には出ないという方も多いと思います。しかし、コートハウスであれば、趣味を楽しんでも、子どもとにぎやかに遊んでもまったく気になりません。
部屋が明るく、風通しも良くなる
中庭に面した窓を大きくすることで、家の中が明るくなります。さらに、複数の壁が庭と面しているので、暗くなりがちな北側の部屋にも光が入ります。また、中庭に面した窓を開けることで、風通しも良くなります。
中庭には幅広い用途がある
中庭の使い方は無限大と言っても過言ではありません。テーブルやイスを設置して、第二のリビングとして活用しても良いですし、日差しが入ることから、洗濯物を干すスペースとしても使えます。植物が好きな方であれば、花や小さな木を植えることで、季節の移ろいを感じることもできます。また、ペットや子どもの遊び場として使っている方も多いようです。
防犯性が高い
コートハウスの構造上、人から見える外側の部分に掃き出し窓のような大きな窓は造りません。そのため、人が侵入しにくいと言えます。さらに、小さな子どもがいる場合、中庭であれば一人で遊ばせていても安全です。
外部の環境に左右されにくい
人気のエリアに家を建てると、ついこの間までは日当たりが良かったのに、隣に家が建ったことで日差しが入らなくなった…なんてこともあります。しかし、コートハウスの場合は、中庭に面した窓から光や風を取り込むので、そういった外部の環境に左右されにくいのです。
コートハウスの注意点
いいことしかないようにも思えるコートハウスですが、もちろん気を付けなければいけないこともあります。
建築とメンテナンスのためのコストがかかる
敷地全体を壁で囲むような造りになるので、外壁の面積が必然的に増え、通常の住宅よりも建築コストがかかってしまいます。それと同じく、外壁のメンテナンスを行う際もコストが高くなります。また、中庭は人を招いた際に当然ながら目に付きます。そうなると、少しでもオシャレなきれいな空間にしたいと思いますよね?ウッドデッキを設置してみたり、かわいらしいタイルを貼ってみたりいろいろ手を加えるにしたがってコストもかかってしまいます。
居住面積が狭くなる
一番の懸念点ともいえるのが、居住スペースが削られてしまうこと。意外に忘れてしまいがちなのが、1階に中庭を造ると、2階の居住スペースも削らなくてはいけないということです。ただ、中庭を狭くしすぎると用途が狭まり、結局活用しないということにもなりかねないので、要注意です。
水はけが悪い
通常の住宅では、雨が降った際、屋根をつたって家の周辺に雨水が逃げていきます。しかし、コートハウスの場合は、排水環境が整っていないと中庭にどんどん水が溜まっていきます。集中豪雨に見舞われても問題なく排水できるような設計にする必要があります。
コートハウスの間取り
コートハウスは「L字型」「コの字型」「ロの字型」の3つのパターンがあります。
L字型
真上から見るとL字になっているタイプで、居住空間と2面で接しています。L字型の良いところは、柔軟に間取りを考えることができるところです。また、住宅は角が増えるほど建築コストが高くなってしまうのですが、L字型は角が少ないので、もっともコストを抑えることができます。
コの字型
3面で庭を囲んだコの字型は、先ほど紹介したL字型よりもプライベートな空間を造ることができます。中庭を南側に配置すれば、居住空間全体に光を取り込むことができるので、非常に明るくなります。
ロの字型
もっとも閉鎖的な空間になるロの字型はしっかりプライバシーを確保したい方におすすめです。L字型・コの字型に比べると建築コストは高くなってしまいますが、家の中心にある庭から各部屋に行き来することができるので、移動するにも楽です。
まとめ
コートハウスは通常の住宅よりもコストがかかったり、居住面積が狭くなるというデメリットもありますが、そんなデメリットが気にならないほど多くの魅力を持っています。機能的にも優れていますが、家にいながら季節の移ろいを感じることができるのは、コートハウスならではと言えます。家が密集する都市部でもプライバシーが守られ、かつ、採光や通風が十分に確保できるので、おすすめです。