1Rや1Kといったやや居住スペースが狭い賃貸物件では、ロフト付きというのが非常に魅力的に見えますよね。では注文住宅の場合、ロフトはどうなのでしょうか。この記事では注文住宅でロフトを造るとなったときのメリット、デメリットをご紹介します。
もくじ
ロフトのメリット
延床面積に含まれない
ロフトを造るともう一つ部屋が増えたようにも思えますが、建築基準法では、天井の高さが1.4m以下、ロフトのある階の床面積の2分の1未満、テレビ・インターネットのジャックがないなどの条件を満たせば延床面積としてみなされません。そのため、固定資産税が上がってしまうということもありません。
収納スペースを増やすことができる
はしごや階段を使用して上り下りするため、重い荷物を移動させることは難しいですが、ロフトは収納スペースとしても使用することができます。たとえば、リビングの上にロフトを設置すれば、来客用の座布団や布団などリビングで使うものを置いておけるので便利です。また、急なお客様が来たときには、一時期的に荷物を移動することもできます。
趣味や子どもの遊び場としても使える
テレビやインターネットのジャックがないので、一つの部屋として使うことは難しいですが書斎として使ったり、あるいは仕切りがなく、外からでも様子が見やすいので子どもの遊び場として使っている方も多いようです。ロフトは秘密基地のように見えるので、特に小さな子どもは気に入ってくれるかもしれません。
部屋が広く見える
ロフトの場合、最大で1.4mの天井高を確保することができるので、高さを出すためにも勾配天井(傾斜のある天井)にして一番高いところがロフト部分に来るような設計も多いです。ロフトは部屋と一体になっているので、視線が遮られることなく上に抜け、部屋が広く見えるのです。
ロフトのデメリット
無駄なスペースになることもある
ロフトは用途がたくさんあるから、とりあえず造って使い方は後で考えよう…としていると、結局使わずに無駄なスペースとなってしまうことがあります。はしごの上り下りが意外に面倒で、結局ただの物置になってしまったというケースも少なくないです。物置になるのであれば、ロフトではなく最初から収納棚などを造ったほうが良いですよね?ぜひ設計の段階でロフトの用途を明確にしておくことをおすすめします。
冷暖房の効率が悪い
ロフトを造ることで高さが出るので、冷暖房の効率は悪くなります。また、エアコンの位置よりもロフトの位置の方が高い場合は、エアコンからの空気が届きにくくなります。こうした悩みを解決するためには、サーキュレーターが役立ちます。1台は1階に置いて、ロフトにもエアコンの空気が届くように、斜め上に向けましょう。もう1台はロフトに置いて、天井に向ければ、ロフトや天井周辺に滞留した空気が排出され、空気を循環させることができます。
掃除がしにくい
頻繁に出入りしないとホコリがたまりやすくなるので、掃除が必要となりますが、階段やはしごを上って掃除機を持って行ったり、大人の場合は常に中腰のような姿勢にならなければいけないので、かなり掃除がしにくいです。
夏は暑い
賃貸でロフトを使ったことがある人はわかると思いますが、ロフトは温度が上がりやすく、特に夏は冷房をつけても寝られないほど暑くなってしまうことがあります。というのも、冷たい空気は下に、暖かい空気は上に行く性質があるので、高い位置にあるロフトは蒸し暑くなってしまいます。通常の扇風機は持ち込みにくいと思いますので、小さいものか、換気扇を設置すると空気の流れを作ることができるので、蒸し暑さがやや解消されます。
ロフトを作るなら?
ロフトは空間を縦に使えるので、敷地面積が狭い場合には有効といえます。また、肝心の設置場所ですが、子ども部屋など個室に造られたロフトはあまり使われない傾向にあります。しかし、リビングといった家族が集まる場所に設置すると、コミュニケーションも取りやすいので先ほど紹介したように子どもの遊び場、ちょっとした収納、書斎など多目的に利用されることが多いです。
注文住宅の場合はせっかくお金をかけて造るわけですから、失敗しないためにも、設置場所や用途についてはしっかり検討するようにしましょう。