昔と違って、日本の家も洋風なものが増えてきました。部屋のタイプも洋室がほとんどではありますが、一室は和室にしたいという方もいますよね。この記事では、そんな和室を造る上で知っておきたいメリットやデメリットについてご紹介します。
もくじ
和室の基礎知識
風情ある和室を構成する要素には以下のようなものがあります。
床の間
座敷飾りの一つで掛け軸や花が飾られます。床の間には床柱という化粧柱があるのですが、使う木材によって和室の印象が大きく変わります。
鴨居
ふすまや障子など建具の上に造られるもので、敷居と対になるように設置されています。
欄間
鴨居の上部に設置されるもので、透かしや格子彫りが施された板をはめ込むことで、通風や採光といった機能的な側面と和室を華やかにする装飾的な側面があります。
長押
柱と柱を水平につなぐ横木で、鴨居の上に造られます。かつては構造材として使われていましたが、現在は装飾材となっています。
床脇
床の間の隣に設けられるスペースを床脇といいます。床脇には二枚の棚板を段違いに取り付けた「違い棚」や床面に接する形で造られる小さなふすまのような「地袋」、反対に天井面に接するような形で造られる「天袋」などがあります。
和室のメリット
汎用性が高い
和室の最大のメリットは、汎用性の高さにあります。来客時は客間として使用することができますし、ささっと布団を敷けば、寝室としても利用できます。
フローリングと違って柔らかく、温かみがあるので、小さな子どもの遊び場やお昼寝スペースにもピッタリです。
また、意外にスペースが必要なアイロンがけや洗濯物をたたむときは家事スペースとしても使うことができます。
空気清浄や調湿機能がある
和室と言えば畳が使われていますが、畳にはさまざまな優れた機能があります。畳の素材であるイグサは、まるでスポンジのように小さな穴がたくさんあいています。そのため、シックハウス症候群の原因の一つとされているホルムアルデヒドやニオイを吸着してくれるので、いわば天然の空気清浄機といえます。
また、湿度が高いときには空気中の水分を吸収し、逆に湿度が低いときには水分を放出するという調湿機能があるので、和室はいつでも快適です。
防音、吸音効果がある
硬いフローリングは何か落としてしまったり、子どもが走りまわったときの音が気になりますが、畳は防音・吸音効果があるので、音が響きにくく、外にも漏れにくいです。
和室のデメリット
日々の掃除が大変
フローリングを掃除する場合、基本的には掃除機をかけて終了という方も多いと思います。フローリングはそれだけでもきれいになりますが、畳の場合は小さな隙間がたくさんあいているので、掃除機をかけるだけでは不十分です。ホコリをかき出すように乾拭きもあわせて行うのが理想とされています。シミや汚れを除去するためには、水にぬらして固く絞ったぞうきんで拭きます。ただ、たたみはカビが発生しやすいので、水拭きのあとは水気をふき取り、部屋の風通しを良くしておきましょう。
家具があまり置けない
畳は柔らかいので、あまり重い家具を上に置いてしまうと、跡がついてしまいます。一度ついてしまうとなかなかきれいに戻らないので、和室には大型の家具や重い家具があまり置けないということを覚えておいてください。
定期的なメンテナンスが必要
和室にある建具は、自然素材で作られているものが多く、定期的なメンテナンスが必要となります。ふすまや障子は和紙で作られており、誤って子どもが破ってしまった場合には張替えなくてはいけません。穴が開いたり、破れていなくても、和紙はじょじょに黄ばんできてしまうので、美しい状態を保つためには年末などに張り替える必要があります。
まとめ
今では和室がない家もあり、家を建てるときに造った方が良いのかどうか悩む人は多いと思います。和室は、畳特有のイグサの香りや障子から透ける柔らかな日差しなど洋室にはない安心感やなつかしさがあります。もちろんそれだけではなく、汎用性が高いという魅力もありますので、一室を和室にしておくというのもよいと思います。
和室は欲しいけど、家の雰囲気と合うかな…ということであれば、最近では和と洋をミックスさせた和モダンな内装も人気が高いので、参考にしてみてください。