みなさんは「ゾーニング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。初めて耳にした方も多いと思いますが、実は間取りを決める前に家族で行っておくべき大切なプロセスなのです。
ここではそんなゾーニングの意味や行う際のポイントについてご紹介します。
もくじ
ゾーニングとは?
家のどのあたりにどんな部屋をどの程度の大きさで配置するのかを大まかに決めていく作業をゾーニングと言います。
枠となる家の敷地の形を方眼紙に書き、その中にリビングやキッチン、玄関などを配置していきます。この時点ではきれいに部屋の形になっていなくても問題ありません。
このゾーニングにしっかりと時間をかけることで快適な住居空間を作り出すことができるのです。
ゾーニングのポイント
いざゾーニングをやってみよう!と思っても何から手をつければよいのかわからない方も多いと思います。ゾーニングにおいてルールなどはありませんが、考え方や配慮すべき点をまとめてみましたので、参考にしてみてください。
ポイント1:まずは玄関と駐車・駐輪スペースを決める
ゾーニングでは玄関から考えていくのが一般的です。車や自転車を所持している場合であれば、駐車・駐輪スペースも玄関との位置を考えながら決めなければいけません。所有している車の大きさや台数によってはかなり広いスペースが必要になるので、その後のゾーニングにも大きく影響します。
ポイント2:配分を考える
次に住居部分のゾーニングです。住居部分はリビングやダイニングなど家族が共有する「パブリックゾーン」、寝室や子ども部屋など個人のための「プライベートゾーン」、キッチンやトイレ、バスルームなどの「サービスゾーン」に分かれています。それぞれの配分はパブリックゾーン:プライベートゾーン:サービスゾーン=1:1:1にするのが理想とされています。必要な部屋をリストアップして、パブリックゾーン、プライベートゾーン、サービスゾーンに分けてみると配分を考えやすくなりますよ。
ポイント3:みんなが集まる空間から考える
住居部分で特に重要になるのが、パブリックゾーンです。家族が集まって食事やコミュニケーションをとる場になるので、リビング・ダイニングを中心としてゾーニングしていきましょう。リビング・ダイニングの場合、人が集まったりテレビを見ることが多いので、寝室などプライベートゾーンに影響が出ないように配置すると、快適に暮らすことができます。
ポイント4:動線を考慮する
動線というのは、人の移動経路を線で結んだものです。住宅では主に「家事動線」と「生活導線」「来客動線」が重要視されます。キッチンの横に洗濯機のある洗面所を配置すると、動線が短く済むので、洗濯が終わったかどうかわざわざ確認する必要がありません。そのため、他の家事をすることも可能になります。また、意外に見落としがちなのが生活動線と来客動線が交わってしまうというケースです。リビングを通らないとお風呂場にいけないような配置にしてしまうと、普段は問題なくてもお客さんがいる際はちょっと困ってしまいますよね。
ゾーニングのときは、動線を極力短くする、動線が交わらないようにするなどを意識するようにしてください。
ポイント5:平面だけではなく立体でも考える
2階以上ある住宅の場合、平面だけでなく立体的なゾーニングも必要となってきます。例えば、吹き抜けを希望する場合には、2階の吹き抜け部分をあけた形でゾーニングするようにしてください。
他にも、平面で考えてしまうと失敗しがちなのが音の問題です。キッチンの換気扇、洗濯機の音、トイレの排水音など音が発生する場所に丸をつけて、1階と2階の図面を重ねてみてください。寝室などリラックスする部屋の真上や真下に音が発生しやすい部屋を配置していないでしょうか。家が完成してから後悔しないためにも、立体的なゾーニングは必須と言えます。
まとめ
プロに任せるのであれば、家主がゾーニングをする必要はないようにも思えますが、住むのは設計者でも施工会社でもなく家主とその家族です。そのため、自分の時間と家族の時間をバランスよく持つことのできるような配置を一度話し合っておくことは非常に重要です。
設計者に希望を伝えることで、よりよい間取りを提案してもらえることもあるので、ぜひ住む人みんなで時間をかけてゾーニングを行ってみてください。